2015年5月2日土曜日

ネパール地震救援募金

《緊急》ネパール地震被害地域支援のための募金のお願い

 

ご存知のように去る4月25日、ネパール中部を襲う大地震が発生し、カトマンズ盆地を中心としたネパール中央地域の広い範囲で4月30日現在5千名を超える犠牲者とともに甚大な被害が出ております。 

TBSニュースより 当カルナリ協力会が支援を続けている西ネパール地域については被害軽微と想定されるものの、情報不足によりなお不測の被害がないとも限りません。

翻って4年前の東日本大震災のときにいち早く駆けつけてくれたのがネパール警察による救援援助隊だったという奇遇もあり、当カルナリ協力会としてもできる限りの御恩返しをと考えております。

支援対象地域や支援物資の種類、経由をどうするかなどは今後現地事務局(現地通信員)との情報連絡により細部を調査の上、8月の千葉明徳学園チームによるネパール訪問の日程を睨んで、6月開催予定の総会で決定するものとし、下記により、緊急に募金を開始することにいたしました。

皆様のご協力をよろしくお願いいたします。 


《募金の概要》

1.支 援 先 被害が大きく、物資に不足している地域 

2.支援の内容 不足している物資
農業資材、環境整備、教材・教具、文房具 など ) 

3.募金期間 5月~7月末日 

4.募金単位と送金先 郵便振替 00130-8-333312

加入者名 NGOネパールカルナリ協力会

2012年6月18日月曜日

ディリチョール報告(2012年3月)

ブタ飼育支援を始めて1年。今年の3月、村で1年間の成果を確認した報告を、家畜専門家のネパールカルナリ協力会の理事の染井氏に報告してもらいます。

「2012年3月の養豚プロ ジェクト」報告
                                  「子豚生産は順調なすべり出し」 染井英夫


昨年、現地ユースクラブの会員たちと養豚事業のプロジェクトを立ち上げて以来、1年ぶり に現地を訪れ、
事業の進捗を確かめるとともに、今後の課題を探ってきました。
プロジェクト1年目の計画はティルクに共 同農場を建設するとともに、将来の養豚生産の基礎となる繁殖用
の豚を購入することでした。
初年度ということもあり、果たして計画どおりにいくものかどうか、大いに不安を持ちながら3月10日に現地に入り、翌日から村内を巡回してまわりました。
先ず共同農場建設についてですが、当初計画していた内容は、用水の便の良いところに種付け用の雄ブタの
飼養設備、雌豚の分娩設備、哺育用舎房と広い運動場を備えたものを建設する予定でした。ところが実際に整
備されたものは、参加者が各戸でそれぞれ雌豚を管理する形で、豚小屋の増築あるいは改修がなされていました。計画変更の経過を詳しく聴いてみると、管理のために共同で出産する形がどうも彼らの国民性に合わな かったようです。
ともあれ、個別に管理する形で雌豚は予定どおり導入され、それぞれの家で飼育されていました。豚の 導入は
人数分の頭数のメスと、共有する1頭のオスを子豚で購入し、1年後の現在、順調に種付けが進み、早いものは今年に入って1回目のお産を終えていました。 巡回しながら、聴き取りによって確認したお産の結果は、次のような状況でした。
導入子豚数:(オス)1頭、(メス)8頭
うち、分娩頭数:5頭、分娩予定(受胎):2頭、未受胎:1頭
また5頭の分娩成績は、産子数が8、7,8,7,6頭 の計36頭( 平均 7.2頭 )で、ほとんど改良され
ていない豚の産子数としては可もなく、不可もなしといったところでしょうか。
しかし、死産の数や産後の管理不徹底のためと思われる子豚の損耗が12頭もあり、徹夜してでも分娩 前後の管理を十分にやるよう指導してきたにも拘わらず、大きな損耗を出したことには舌打ちする思いでした。また、オス豚は短期間にメス豚8頭中7頭の種付けを成功させたように、その資質は十分に高いものと 評価できました。
ところが驚いたことには、彼らの言葉を借りれば、「勝手に小屋を脱け出して村内の畑を歩きまわり、 作物に被害を与えているクセの悪い豚」だと言うのです。簡単に脱柵できるような小屋で飼育して、村内を徘徊しても放置しておきながら、「クセ が悪いから処分して別のオス豚を購入し直す」と言うのですから、あいた口が塞がらないというのはまさにこのことです。 実績のあるオス豚なの で、しっかり管理して大事に使い続けるよう説得して、今後の管理体制に責任を持つよう話し合わせました。
ところで、ネパールは未だに狂犬病が撲滅されていないお国柄であり、この村でも導入したメス豚1頭 が野犬の侵入により咬まれて死亡し、残っていた4頭の子豚も母乳が途絶えて死亡したとのことでした。そこで、各人の飼育小屋は、夜間における野犬の侵入が防げるように堅固な補修をするよう指導せざるを得ませんでした。ほんとうに困ったものです。
このように様々な問題を抱えながらも、事業開始1年を経て子豚生産がはじまったということは、ティルクだけでなく ディリチョウルVDCの農業生産全体にとって養豚事業が拡大していくきっかけになる大きなターニングポイントとなる可能性が出て きたと思います。
今後は、子豚の出荷体制(ユニオン)作りとともに、豚肉を村の食生活に生かしていくことが大切だと 考 えています。
最後に、プロジェクトに参加した若者たちの感想をいくつか紹介しておきます。
少しお金を使ったが、大きな収入源を得て良かった(バクタ)
1年に2回も子を産んでくれ、短期間で収入の上がるビジネスのようだ(ヴィシュヌ)
短期間に肉をいっぱい作ってくれる家畜だ(パダム)
うちの豚は今妊娠中だが、これから金が入るので将来も飼い続けたい(ラン・バハドール)

clip_image002 clip_image004
(写真1)4月中には産みそうな親豚 (写真2)この春産まれた子豚が元気にとびだしてきた

 

これまでの記事